【ネイルサロン開業講座8】開業資金の調達

 

ネイルサロンを開業するには、「初期費用」と「月次費用(ランニングコスト)」の2種類が必要になります。このうち「ランニングコスト」については、経営を開始した翌月やその次の月からの支払いになるため、前もって準備をしない方も多いと聞きます。

 

ですが、開業当初は集客が不安定なことも予想されますし、何の蓄えもないままでは不安要素が大きいです。そういう意味で、できれば「3ヶ月分」程度のランニングコストを用意しておくと安心ではないかと思います。

 

 

「初期費用」でかかる金額は、テナント代や設備費などで大きく異なりますが大体50〜300万円が相場といわれています。そこに「ランニングコスト」の3ヶ月分を合わせると、最低でも100〜200万円程度は資金があったほうがよいということになります。


 

開業資金の調達方法

 

自宅でホームサロンを行う場合は、初期費用を除くとランニングコストは材料費程度なのでここまでの資金は必要ないかもしれません。ですが、全く資金がない状態での開業は自宅サロンといえどもリスクがあるので、ネイルの材料費などある程度の資金はあらかじめ確保しておきましょう。

 

ということで、開業資金の調達方法について、いくつかご紹介したいと思います。

 

自己資金

最も安全な方法は、自己資金をコツコツ貯めるやり方です。サロンを開業するという目標を立てて、それに向けて自分で貯蓄するわけです。ただし、サロン開業のために実際に200万円も貯蓄しているネイリストはなかなかいないのが現状ではないかと思います。

 

家族・知人からの融資

自己資金が無理な場合には、家族や友人などの身近な人に相談して、援助・出資してもらう方法も悪くないと思います。お互いの人間関係にもよりますが、後々の返済方法について融通がきいたりしますし、ほとんどの場合で利息が発生しないのは魅力的です。

 

ただし、いくら家族や親しい友人であっても、「お金を借りる」となると、いろいろ困ったことが出てきたりもします。人間関係を壊す可能性もあるため、そのあたりの配慮は必要になってきます。

 

金融機関の融資

ネイルサロンをビジネスとして本気でやるのであれば、思い切って金融機関に融資の相談をするのもいいと思います。どこかで借り入れをして融資を受けることに抵抗のあるネイリストもいるかもしれませんが、遊び目的や返済のめどがたたない借金と違い、今後利益をあげて返済の予定が立っているわけですから、実際に起業する場合の融資は極めて普通のことです。

 

とはいえ、自己資金や出資と違って「返済義務」が発生しますし、借入の「利息」も発生します。社会的な信用問題なので、自分が責任をもって返せる程度の融資を考えなくてはいけません。

 

一般的に融資を受けることができる金融機関には、次のようなものがあります。

 

  • 都市銀行
  • 地方銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 日本政策金融公庫

 

ただし、開業したばかりのサロンが軌道に乗るかどうかは誰にも分かりません。つまり、融資する側の立場で考えれば、融資した費用を回収できるかどうかの信頼性が「?」という状態です。

 

そのため、融資の相談をしたとしても、審査などは大変厳しいものにならざるをえません。単に「今度サロンを始めたいから融資してほしい」と窓口で言っても、なかなか話は前に進むことなく断られることが多いでしょう。

 

融資してもらいやすい金融機関は?

 

さきほどいくつかの金融機関をご紹介しましたが、借り入れしやすい順番としては次のように考えていただくといいかもしれません。

 

日本政策金融金庫

(難易度:★★☆☆☆

信用金庫、信用組合

(難易度:★★★☆☆

地方銀行

(難易度:★★★★☆

都市銀行

(難易度:★★★★★

 

都市銀行などは利息の低さが魅力です。しかし、今までの実績がない場合は、審査が厳しくなかなか融資してもらえない可能性が高いです。サロンの規模や今までの実績によっては可能な場合もありますので、ダメ元で一度聞いてみるのはよいかもしれません。

 

現実的に融資が受けられる可能性が高いの信用金庫や金融公庫です。借り入れにはもちろん審査がありますが、一般的なローン会社に比べると利息も低く、サロン開業に対しての融資も誠意をもって聞いてくれるところが多いです。

 

金融機関から融資を受けるための条件と流れ

 

そもそも融資を受けるのにはどんな条件があり、どのような流れになるのか考えてみましょう。

 

「信用」を得るためのポイント

ここで一番大切なのはお互いの「信頼関係」です。自分が人にお金を貸す場合のことを考えると、返せるあてのない人には貸したくないと思いますよね。それは会社でも同じなのです。

 

ちなみに、これから開業しようと思っている人には意外な話かもしれませんが、もし今どこかのサロンで働いているのであれば、「辞める前に融資の相談に行く」というのはとても大切なポイントです。なぜなら、サロンを開業するために仕事を辞めてしまった後では、全くの無職扱いとなってしまい、返済能力を疑われてしまうからです。

 

長い年数務めていた経歴があればあるほど、それは大きな信用に変わります。今までの経歴と合わせて、その仕事の間に貯めた自己資金などがあればさらに信用を得ることができます。

 

「創業計画書」について

そして必ず求められるのが「創業計画書」の提出です。これは融資を受けるうえでは最も重要なことです。これをもとに、融資をする価値があるかを判断されるからです。

 

書く内容としては、大きく分けると次の3点になります。

 

  • (1)どういう内容の起業を行うのか?
  • (2)今後どのように利益をあげて返済していく予定か?
  • (3)上記(2)であげた数字の根拠は何なのか?

 

あなたがサロンを開業するにあたってどのような内容で行い、成功するビジョンがあるのか、そして返済能力などの根拠を示す必要があるのです。

 

さきほども言いましたが、返済能力がない人にお金を貸すことはとても不安なことです。あなたがどのような計画を立てていて、その計画が失敗せずに軌道に乗る根拠は何なのか、相手に分かりやすく説明しなければ融資を受けることはできません。

 

融資を受けるためにできることはなんでもやりましょう。計画を練りに練って、失敗はありえないほどの「根拠」を提示しましょう。「夢や目標」ではなく、ビジネスとして、現実的にどのぐらいの利益をあげられるのかを理論立てて書類にしましょう。

 

 

「創業計画書」など人生で初めて作成すると思いますので、どうやって作成すればいいか悩んでしまうかもしれません。そのような場合には、税理士や会計士などの専門家に相談してみるのもいいと思います。

 

起業までの流れをサポートしてもらうだけでも助かりますし、場合によっては起業後の会計業務もお任せしてもいいと思います。会計業務は専門家にお任せしてしまって、自分は自分しかできないことに集中するという考え方です。


 

「保証人」について

そしてあなたがどれだけ信用できる人であっても「保証人」を立ててほしいという話は出てきます。金融機関によっては保証人不要のところもあるようですが、貸す側の立場としてやはり保証人がいないと融資しにくいものです。

 

そこで、誰かに保証人になってもらうようにお願いしないといけないわけですが、個人的に一番いいと思うのは「経済力がある他人」です。一般的には親族にお願いするかもしれないですが、親族だともしもの場合に「共倒れ」になってしまいますし、気分的に緊張感にかけてしまいがちだからです。

 

もし融資を考えているのであれば、お願いできそうな「経済力のある他人」を見つけておくとよいでしょう。その人に自分の計画を理路整然とプレゼンし、保証人を引き受けてもらいましょう。そうすることで、サロン運営に適度な緊張感が出てきて、返済に対する責任感が増してくるはずです。

 

金融機関とのやりとりの流れ

どの金融機関に融資を受けるかによって異なりますが、一般的な流れは次のようになります。

 

窓口に相談

融資の申し込み

(創業計画書の提出)

担当者との面談

融資の決定

返済の開始

 

この中で融資をしてもらえるかどうかは「創業計画書」と「面接」が大きく関わっています。「自分がいかに信用してもらえるか?」ということと、「自分がやろうとしていることをいかに信用してもらえるか?」ということに全てかかっています。

 

最初は初めてのことで不安に思うことや疑問に思うことも多くあると思います。身近に融資の経験がある人がいるのであれば、経験談を聞き相談するとよいでしょう。まわりにそういう人がいない場合は、無知のままで始められることではないので、インターネットなどを使って調べることから始めましょう。

 

「ネイルの技術」+「サロンの運営管理の知識」=「成功できるネイルサロンオーナー」

 

サロンのオーナーになるということは、ネイルができればなれるものではありません。今までに経験したこともないようなお金の話もたくさんでてきます。聞いたことのない難しい用語や制度もあります。

 

それでも「数字は苦手、難しいことは分からない、知らなかった」では済まないことや大きな損失をすることもたくさんあります。自分が代表になって経営していくという自覚をもって、頼れる人や機関に相談しながらサロンを開業しましょう。

 

ネイル業界は若いオーナーもたくさんいますし、そのほとんどが女性です。起業におけるノウハウを学ぶのは学校の勉強ができるできないではありません。「自分がいかにサロンを成功させたいか」です。

 

みんなはじめは何も分からないところからスタートしています。ですが、自分がオーナーとして成功したいからこそさまざまな方法で勉強しているのです。「ネイルの技術」だけでネイルサロンを運営できるわけではありません。「サロンの運営管理の知識」も身につけてはじめて、成功できるネイルサロンオーナーになることができるということです

 

 

ネイルサロン運営講座 第8回では、開業資金をどのようにして調達すればいいかご紹介しました。いかがでしたか?

 

正直言って「お金」のことは苦手意識がありますが、サロンを始めるうえでお金の話は避けては通れないですよね。夢物語にならないように、しっかりと現実を見て、今なにをしなければいけないのかを考えないといけないと思いました。


 

ネイルサロン運営講座 全17回

第9回のテーマ ≫ 店舗物件探し

いよいよ店舗物件探しです。いい物件を探すためのチェックポイントをご紹介しますので、物件探しに出かける前に必ず読んでおいてください。店舗は一度決めると簡単に別の場所に移れません。だからこそポイントをおさえて物件探しをしましょう。