【ネイルサロン開業講座7】ランニングコストの試算

 

ネイルサロンを開業しようと思えば、それに伴うお金が必要です。開業するときにかかる「まとまった1回の出費」はもちろんですが、その後も毎月「ランニングコスト」がかかることを忘れてはいけません。

 

【1】ランニングコストの試算

 

開業資金として用意するお金とは別に、これからかかるランニングコストの計算もしっかりと視野に入れて準備しましょう。そうしないと、想定外の出費が続き、サロンを続けていくことが難しくなってしまいます。

 

 

最初は集客も安定せずに、収入が見込めないことも考えられます。その場合に、手持ちの資金が少なすぎると、精神的に不安感が増してきますし、現実的に経営が難しくなる可能性があるかもしれません。なので、目安として3ヶ月分程度の資金はあらかじめ用意しておきましょう。


 

家賃

まずはテナントの家賃です。これは、契約時に3ヶ月分を納めるところもありますので、初期費用として考える場合もありますが、もし1ヶ月分しか納めずに契約している場合は、残り2ヶ月分の家賃はあらかじめ用意しておくと安心です。

 

光熱費・水道代

光熱費や水道代も同様に毎月かかります。1回目の請求で大体の金額が分かりますので、家賃と合わせて用意しておきましょう。

 

融資の返済

開業資金の調達として融資を受けている場合は、その返済金額も把握しておかなくてはいけません。

 

人件費

ネイリストを雇用する場合は人件費も毎月の支払のひとつです。時給制の場合はどのぐらい働いてもらうのかをあらかじめ試算し、月の給料を把握しておきましょう。

 

その他の固定費

その他、サロンでリースしているものやインターネットや電話の通信費など、月で支払うことが決まっているものは一度リストアップしておきましょう。支払日が全て異なることも珍しくないので、金額と日時の確認をしておきましょう。

 

いくつもの支払先になると入金での銀行まわりが大変になるので、サロン名義の口座で支払用のものを作ってまとめておくと便利でしょう。確定申告を見越して、支払ったものの領収書を月ごとにまとめておくとよいです。

 

ネイルの材料費

そして一番管理に困るランニングコストは「ネイルの材料費」です。家賃などと違い、毎月の支払い金額が安定しないからです。

 

在庫の管理をしっかりと行ない発注するものを決めるのですが、その月や季節によっても発注内容が異なります。例えば、夏なら明るいカラーのジェルやポリッシュが出やすく、さらにフットケアなどもニーズがありケア用品も必要になります。冬は寒色系に人気が集中し、春はピンク系が多くなります。

 

さらには、長期休暇の前あたりから予約が一気に集中することも多く、いつもよりも多めの発注が必要な場合もあります。

 

開業当初はなかなか分かりにくいですが、「この時期にこの材料を発注した!」「この時期はこのメニューが人気だった!」など、必ず何らかの記録を残しておきましょう。そうすれば、だいたい1年間を通して必要な材料が分かるようになってきます。

 

ちなみに、資金に余裕があるとたくさん発注をしてしまいたくなるものですが、いつ何で困るかは誰にもわかりません。ある程度「月に材料費はこのぐらい」と自分で決めてしまうのもよい方法だと思います。

 

これらのランニングコストは、サロンの規模によって大きく異なるものがほとんどなので、相場を出すことがとても難しいところです。

 

 

もし身近にサロンオーナーの経験者が知人や先輩でいるようなら経験談を聞くのはとても参考になります。実際に成功している人の話や、失敗談など人の経験をもとに自分のサロン運営を考えることによりさらにリアリティーのある試算を行うことができるのです。


 

【2】サロンの収益の試算

 

ここまでは出費の話ばかりでしたが、実際にそれを支払うのは「サロンの収益」からです。ランニングコストを想定したうえでサロンの売り上げを考えるのか? サロンの売り上げを想定したうえでランニングコストを考えるのか? これについては、どちらが正しいということはありません。

 

どちらにしても、「ランニングコストの試算」と、「店の収益の試算」はセットで考える必要があります。「店の利益」−「ランニングコスト」=「店の純利益」になるからです。

 

店の売り上げは月末になってみないと分からないのはたしかですが、ある程度の「予想」はしておく必要があります。そこが分からないと、ランニングコストや初期費用にいくらかけて大丈夫かという計算ができないからです。

 

来客数の予想

今の自分の能力でどのぐらいの人数を呼ぶことができるのか? まずは来客数を予想しなくてはいけません。これは、ネイリストを何人雇用しているのか、集客のための広告等の媒体を使用しているか、既に顧客リストをもっていて開業したのか、で全く異なります。

 

お客様1人あたりの単価を設定

集客できる人数を予想したら、その人1人あたりの単価を設定します。そうすることで月の集客人数×1人あたりの単価=月の売り上げが予想できます。

 

試算した月の売り上げをもとに、ランニングコストを支払えるかどうかを考えるようにしましょう。そうすることで、無理のないサロン運営をおこなうことができます。

 

戦略の見直し

試算の段階で売り上げよりもランニングコストが上回るようであれば、集客を増やすかランニングコストを見直すなどを考えなくてはいけません。集客が下回ったり、年度末には確定申告で税金の徴税もありますので、ある程度の余裕をもった計画を立てることが必要です。

 

初期費用からランニングコストまで、お金の運営はネイルスクールでは必ずしも教えてもらえません。また、仮に教えてもらえるとしても、実際にサロンを運営してみないと実感として身につかない部分も多いものです。

 

 

ネイルサロン運営講座 第7回では、ランニングコストをどのように見積もればいいか学びました。いかがでしたか?

 

ネイリストとしての腕があっても経営でつまずいてしまい店を維持できない人も多いと聞きます。ネイルサロンを開業するのであれば、「マーケティングにも強いネイリスト」を目指す必要がありそうですね。


 

ネイルサロン運営講座 全17回

第8回のテーマ ≫ 開業資金の調達

イニシャルコストとランニングコストを試算したら、開業資金(現金)を準備しましょう。とはいえ、自己資金で全額まかなえるネイリストは少ないはず。そこで、開業資金を調達するにはどうすればいいか考えてみましょう。