【ネイルサロン開業講座4】施術メニューと価格設定

 

ネイルサロンでの「メニューと価格」はサロンとして繁盛するかどうかのとても重要なポイントです。なぜならお客様は何か目的を持ってネイルサロンに来店するからです。

 

お客様は自分の目的が果たされるかどうかを「メニュー」によって決め、そしてそのメニューに対して見合った「価格」なのかを考えお店を決めています。つまりはネイルのメニューが豊富であればあるほど、お客様からの需要が高く選んでもらえるサロンということになります。

 

プロとして自信のあるメニューだけを提供

 

でもここで気をつけなければいけないのは、「趣味ではなくプロ」ということです。趣味や練習でお友達にネイルをするのであれば、ある程度の技術でかまいませんが、プロとして金銭をいただく以上、その技術に不安があってはいけません。

 

 

なんとなく「スクールで習ったからこのメニューも追加しよう!」という安易な気持ちでメニュー表を作成することは、後々に大きなトラブルの元になります。

 

最初はたくさんじゃなくても「自分がプロとして自信を持って提供できる」メニューを掲げることが必要です。


 

安易に未熟な技術で施術してしまうと、お客様からの「信用」を失ってしまうかもしれません。そうなってしまうと、ネイルサロンを軌道に乗せるどころではありません。では、自分の今の技術を考えながら、どのようにメニュー表を作成していけばいいのか考えてみましょう。

 

ターゲット層に合わせたメニューを提案

 

まず最初に考えるべきことは、「自分のサロンはどのターゲット層にネイルをするのか?」ということです。それによって求められている技術が違うからです。

 

OLさんや主婦層をターゲットに決めたのなら、ケアも重視しながらジェルネイルやポリッシュ、フットメニューなどがメインになります。学生さんや夜の仕事の方ならケアよりもジェルなどの流行重視のアートや長さを出すスカルプがメインになることが多いです。

 

そのターゲット層にあった技術で自分がプロとして自信を持って提供できる技術をメニューにします。

 

お客様に提供できるかどうかの判断基準は?

 

プロとしての技術の判断はもちろん人それぞれですが、「自分だったらこれにお金を払ってもいいと思えるかどうか?」で判断をすればいいでしょう。

 

ひとつ目安になるものとしてネイリスト検定があります。2級やジェルネイルの中級であれば、ケアやシンプルなネイルに対応できるだけの知識があるでしょう。1級やジェルネイルの上級を持っていれば、2級のレベルに加え、長さ出しのスカルプや立体的な3Dアートまでの知識があるということになります。

 

 

できないことをメニューに入れてしまうと、そのオーダーが入ったらどうしようって不安になると思います。頼んだお客様にしても、お金を払うクオリティーに達していないと思ったら、クレームのひとつも言いたくなってしまいますよね。

 

そう考えると、まずは「自分の技量に合わせて提案したいメニュー内容を決める」のが第一かなという気がします。


 

特に得意なメニューを「軸」にメニュー展開

 

そして自分がそのターゲット層に対して「これは特に得意」というアピールしたいポイントを作り、そこを中心にメニュー表を考えていきましょう。そうすれば、自分も気持ちに余裕が持てますし、お客様からも安心して任せてもらえるサロンのメニューが仕上がります。

 

ジェルが得意なら、思い切って「ジェル専門店」としてスタートするのもよいでしょう。この場合、「アクリルでスカルプをしたいお客様」はターゲットから外れてしまいますが、「ジェルを楽しみたいお客様」にはむしろ選ばれやすくなるかもしれません。

 

もちろん、どっちもできるネイリストならそれだけでサロンの強み、アピールポイントになります。ジェルもできるけど、もし1本だけ折れていたらそこはアクリルで補強する技術もあるわけですから、それはジェル専門店とは大きな差があり来店する客層の幅が広がります。

 

メニュー内容に合わせて必要なものをそろえる

 

メニュー内容が決まったらそれに対して何が必要なのかをリストアップします。

 

「ケア中心」のネイルサロンにするなら

ケアを重点におくのであれば、お湯や水が絶対必要になります。これから始める予定の店舗に円滑にお湯が供給できるように設計をしなければ、いちいちお湯を沸かしにいったりお水を捨てにいかなくてはいけません。

 

施術スペース内に適温のお湯が出て、使用後の水を捨てれる水場があることを第一に考えなくては効率が悪くなってしまいます。そして角質のケアやハンドパックなどケアに重点をおいてるからこそできることを考え商材をそろえるとよいでしょう。

 

「ジェル中心」のネイルサロンにするなら

ジェルの専門店にするのであれば、ネイルテーブルにライトが収納できるものを選んだほうがよいでしょう。使用する間接照明もジェルが反応して硬化してしまわないものを選ばなければいけませんし、UVのジェルを使用するのであれば太陽光が直接当たらない場所を選ばなくては施術中にジェルが勝手に硬化してしまいます。

 

ジェル専門店を掲げているのに在庫のジェルが少ないようではレパートリーがないので、ある程度のカラージェルをそろえることも必要でしょう。どうしてもたくさんのカラーをそろえるのが難しい場合は、原色のみそろえて、あとはその都度自分で調合するなどの工夫もできます。

 

「オールマイティー」なネイルサロンにするなら

ジェルに加えてアクリルも使用するオールマイティーなサロンであれば、ジェルとは違い特有のにおいがありますので換気の設備を考えなくてはいけません。窓や換気扇だけでなく、空気洗浄機などを使用し、お客様が不快にならないサロンづくりをする必要があります。

 

さまざまなメニューを取り入れればその分、発注する商材も増えて行きます。自分の開業資金と相談しながら、オールマイティーな中でも特にどこに重点を置くか決めて必要なものをそろえなければ、全体的にレパートリーのないサロンになってしまいます。

 

長さ出しのみアクリルで行い、カラーはジェルで行うというふうにすれば、色味はジェルのみをそろえばよいということになります。

 

 

このように、どのターゲット層を対象にするかを決め、どういったメニューを提供するかを決めることによって、そろえなければいけない商材もみえてきます。

 

なんでもあるサロンは理想ですが、なかなかそうはいきません。自分の資金と相談をしながら必要なものをリストアップすることは無駄な消費を防ぎリスクカットにつながるのです。


失敗しない「価格設定」の方法

 

ここまできたら残るは価格の設定方法です。価格の設定は安易に決めてしまうと後々に自分が苦労するので、綿密に考える必要があります。

 

なぜなら安い分には嫌がる人はいませんが、値上げというのは誰でも嫌なものだからです。とりあえずやってみて、後から値上げをするという方法は、せっかくのリピーターを失うことにつながりかねません。かといって最初から高めの値段設定にしてしまえば、新規のお客様を呼ぶことは難しくなります。

 

 

まずは「固定費」を把握するすることから

 

まずは自分が借りている「テナント費」やそれに伴う「光熱費」は大体いくらかを知る必要があります。それは絶対に確保しなければいけない「維持費」だからです。

 

そして次に何をどのぐらい「仕入れ」るかを計算します。この2つは最低限必要なお金です。それに加え、あなたの「利益」や雇っているネイリストの「賃金」を考慮しなくてはいけません。

 

そして最後に「技術料金」という自分の技術に対する金額を加えます。これは、過大評価も過小評価もする必要はありません。自分がこの技術を習得するためにかけてきた時間やお金、努力などの付加価値の部分です。

 

最終的にその全ての金額を出した単価を「妥当であるか判断するのはお客様」です。あなたの技術に見合っているとお客様が判断をすれば、その価格設定は正しいということになります。

 

 

「高い」と思われてしまうとリピーターにつながらないでしょうし、「安い」と思われれば、たくさんのお客様が来店するのはいいとしても、「自分の価値」を下げて働いていることになりますよね。やっぱり価格設定については、最初に考えすぎるくらい考え抜いた方がよさそうですね。


 

そのエリアの「相場」をリサーチ

 

とはいえ、いきなり価格を決めるのはなかなか難しいことなので、まずはまわりの相場を知ることから始めるのもよいでしょう。PCで検索すればすぐに近隣のサロンなどは出てきます。そこのHPをチェックしてどのようなメニューで、どのぐらいの価格なのかを見てみるとだんだん相場が見えてきます。

 

技術レベルなどが気になるお店には、直接お客として行ってみることで「このぐらいの技術でこの値段」というのが分かるでしょう。

 

それに対して自分の方が技術が自信があるから単価を高くする、自分のお店の方が規模が小さいから単価を下げるなどの調整をすることで、自分のサロンに見合った価格設定ができるようになります。

 

必要な維持費が得られなければ、サロンを続けて行くのは難しいけれど、悪質に高くして利益に走っていてはお客様にも愛想をつかされてしまいます。

 

お客様は仕入れの価格もテナントの経費も知りません。自分の爪に装飾してもらったネイルの価値が全てです。ネイルの価格は「ネイリストとしての評価」そのものなのです。

 

 

ネイルサロン運営講座 第4回では、どのような施術メニューを用意すればいいか、そして価格設定をどうすればいいかということについて学びました。いかがでしたか?

 

最初のうちは自信のあるメニューだけを提供する。そして、ターゲットに合わせてメニューのバリエーションを増やしていくというのがポイントですね。


 

ネイルサロン運営講座 全17回

第5回のテーマ ≫ ライバル店との差別化

ライバル店と差別化する方法はいろいろあります。それこそ、オーナーであるあなたのアイデアしだいで、いくらでもライバル店に差をつけることができるわけです。では具体的にどのような差別化の方法があるでしょうか? ここでは2つの視点から解説します。