【ネイリスト基礎講座11】独立開業のリスクと対処法

 

対処法が分かればリスクは怖くない

 

自分のネイルサロンをオープンするのは、とてもワクワクするものです。机や照明、小物のひとつひとつまで「自分のこだわり」をもって作るサロンは、あなたにとっての大切な宝物のような空間です。

 

リスクについても考えておきましょう

 

次はこういうインテリアを取り入れてみよう、最近流行りのジェルメーカーも導入したい。こうすればよりよいサロンを作れるというアイデアは、どんどんふくらんでいくでしょう。ですが、独立開業には、楽しいこと、うれしいことばかりではありません。それにともなう「リスク」についても考えておかないといけません。

 

 

新しい挑戦をするわけですから、いろんなリスクがあって当然です。ですが、リスクはあっても、ひとつひとつ適切に対処していけばいいだけです。

 

怖がらなくて大丈夫。ぜひ、あなたの夢を叶えてくださいね。


 

ということで、ネイリスト基礎講座 第11回では、独立開業して自分のネイルサロンを持ったときに、どのようなリスクがあるか考えていきましょう。事前にどのようなリスクがあるか理解しておけば、実際にネイルサロンオーナーになったときにも安心ですね。

 

【1】「利益が出ない」というリスク

 

経営者としてまず考えないといけないのは「利益」です。そのためには、お客様に多く来店してもらわないといけません。開業したはいいけど、なかなかお客様が来ないとなってしまったら、いつまでたっても利益を出せません。

 

利益が出ないサロンをずっと継続していくのは難しいです。こんな状況は誰も想像したくないですが、利益が出ていないお店をいつまでも続けていても、あなたにとってマイナスしかありません。

 

マイナスを増やさないためには?

 

経営の基本として、「プラスを増やす」のと同じくらい、「マイナスを増やさない」という考え方が大切になります。そして、それには「早期の判断」が必要です。「まだやれる」「もう少し待てば」と悩んでる間にどんどんマイナスが増えていくからです。「このままじゃマイナスになる一方だ」と思うなら一度撤退する勇気が必要です。

 

一度失敗してもその経験を活かして成功すればいい

 

あなたが一回取った「資格」や「技術」は一生あなたのものです。もし一回サロン経営を失敗したからといって無くなるものではありません。何がいけなかったのかを考え直し、再度立て直せば次の成功へとつながります。

 

撤退後、いかにして立て直すか?

 

技術が足りなかった、知識が足りなかったのであれば再度どこかのサロンに就職して学びなおす必要があるでしょう。そもそもの資金が足りなくて経営していけなかったのだとしたら、規模を縮小しての再スタートがいいかもしれません。あなたを支持してくれるお客様だけでも個人的にサロンワークを続けていき、そこから広げていくのもいい方法だと思います。

 

続けることで成功する例もあるでしょうが、撤退する勇気が必要なときも少なくありません。独立した以上すべての責任やリスクを背負うわけですから、どこまでできてどこからは手に負えないのか、そのときの自分の限界を見極めて決断する必要があります。

 

【2】「お客様とのトラブル」というリスク

 

もし独立直後から経営がうまくいたとしても、油断しないようにしましょう。まさかと思うようなトラブルが、いつ起きても不思議はありません。例えば次のようなトラブルに突然遭遇するかもしれません。

 

ネイルサロンでよくあるトラブル

  • お客様にケガを負わせてしまった
  • ネイルの溶剤がお客様の持ち物についてしまい弁償を求められた
  • 受付で預かっていた荷物を何らかの理由で紛失してしまった

 

トラブルには軽微なものから重大なものまでさまざま。対処を間違えると訴えられてしまうようなトラブルも起こりえます。そして、ひとつのトラブルが噂になり、お客様がどんどん離れていってしまう最悪のケースもあるでしょう。そうなると、経営不振でお店を続けられなくなるかもしれません。

 

トラブルが起きないのが一番です。しかし、もし何か起きたときの「誠意ある対応」が今後を左右します。ケガしたお客様には、言い訳してどうにか許してもらおうとするのではなく、非を認め謝罪し病院に連れていきましょう。お客様の洋服やカバンを紛失したり汚してしまった場合も、こちらのミスが原因であるなら、誠意をもって弁償しなければいけません。

 

リスク回避のためにネイリストに何ができるか?

 

それでもケガをしたお客様の怒りが収まらず、訴訟されてしまうリスクはなくならないでしょう。カバンがとても高額なブランドのものだったら、弁償しようにも弁償しきれないかもしれません。こういったリスクを回避するために、個人でも加入できる「賠償保険」というものに加入しておくと安心です。

 

保険会社によって保障内容はさまざまですが、ケガや物損など状況に合わせていろいろなプランがあります。訴訟トラブルになった場合に弁護士を斡旋してくれる保険会社もあるので比較検討してみてください。

 

 

「うちは大丈夫」などという甘い考えは禁物です。いつ、どんなトラブルが起こるかは誰にも予想できません。一度のトラブルで今まで頑張ってきたサロンを失ってしまう可能性もあります。リスクをゼロにはできませんが、リスクに対するできる限りの備えをしておくと安心ではないでしょうか。

 

二度と同じトラブルを起こさないためには?

 

ケガをしてしまった理由が「スタッフの技術不足」によるものなら、サロン内で研修や勉強会を行う必要があるでしょう。預かったカバンがなくなってしまった原因が「管理不足」だとしたら、置き場所の見直しや渡し間違いを防ぐため番号札つけるなどの対策が必要でしょう。何が原因でそうなってしまったのかをスタッフとよく話し合い、けっして二度と同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。

 

お客様とのトラブルにきちんと対応できるためには、トラブルは発生するという前提で、臨機応変に対応できるような準備が必要です。スタッフの教育など、大変だなーと思うかもしれませんが、長い目で見るとリスク対策は決してムダにはなりません。

 

【3】「お客様からのクレーム」というリスク

 

お客様とのトラブルは保険に入っていれば回避できるものばかりではありません。もっと身近にあるトラブル「クレーム」です。

 

  • 予約を入れたときの対応が雑で不快だった
  • 施術した内容が気に入らなかった
  • 最初に聞いていた値段とお会計が違った
  • せっかくつけたネイルが3日もたずとれてしまった

 

ネイリストも人間なので、ミスを100%避けるのは不可能です。ですが相手はお金を支払っているお客様ですから、「細かいことまできちんとしてほしい!」という思いがあるのは当然です。極力ミスをしないよう、常日頃から対策していかないといけません。

 

ミスをしないためにできる対策とは?

 

あなただけがよい接客をしていても、他のスタッフがとても雑な接客をしていては意味がありません。サロン内で気持ちのよい接客ができるように、そしてそれを全員が実行できるようにマニュアル化するなどして徹底する必要があります。

 

そして不快な思いをさせてしまったお客様を、そのままの気持ちで帰らせては絶対にいけません。誠心誠意をもって対応しなければ、あなたに対する信頼は失われ、二度とサロンに来てくれなくなってしまうからです。

 

信頼を失わないためにどうするか?

 

施術した内容が気に入らなかったのなら、どこがどう気に入らないのかを聞き、その場でやり直します。そして、このような「仕上がりの食い違い」や「お会計の時の金額トラブル」の原因のほとんどが「カウンセリング不足」から起こるので、「施術に入るまえに入念にネイルの内容を決めるようにする」などの改善が必要です。

 

事前のカウンセリング不足がクレームの原因になる

 

もしネイルがとれてしまったとクレームが来たときには、謝罪をしたのち再度施術を無料でします。ただし、これは安易に引き受けると、さらなるトラブルの原因になるので注意が必要です。なぜなら、「爪の状態」や「生活スタイル」によって、ネイルの「もち」が異なるのは普通だからです。そのため、まずカウンセリングの時点で、どの程度もつ爪なのかの説明をしなくてはいけません。

 

さまざまなお客様に的確に対応するには?

 

そして、人によって何日で取れてしまうのが早いと感じるかの「感じ方」はさまざまです。早く取れたといわれて、なんでもかんでも無償で直していたのではキリがありません。なので、サロンの中での「保証期間」を決めておくのが有効です。

 

多くのサロンが保証期間を「3日〜1週間」で設定していて、その期間内にとれた場合のみ無償で直しますとお客様に伝えています。全てに「明確な基準」を設定しておけば、すべてのお客様に対して平等にクレームの対処を的確に行えます。

 

【4】「従業員とのトラブル」というリスク

 

サロン経営で発生するトラブルは、お客様相手だけではありません。お客様以外に「従業員とのトラブル」もよくあることです。従業員とのトラブルで最も多いのは「時間」と「お金」です。最初に聞いていた賃金と違う、拘束時間が違うなどという不満が出てトラブルになるのです。これは、面接のときにしっかりと説明し、お互いが納得しているかがポイントになってきます。

 

ほとんどが「時間」と「お金」のトラブル

 

よくあるのが「研修期間」についてです。募集の時給は900円だけど、研修期間中は700円などとしている場合、いつからいつまでが研修期間なのかをしっかりと伝えておかなければいけません。

 

それを「技術ができるようになるまで」などあいまいな取り組みにしてしまうと、両者で言い分が食い違ってしまい、もめる原因になってしまいます。なので、「最初の3か月は研修期間です」と明確な期限を取り決めるとよいです。

 

時間とお金が従業員ともめる一番の原因

 

休憩時間内も給料が発生するのかなども、はっきりさせなければいけません。サロンが終わった後に練習や研修を行うお店もあるでしょうから、そのときの給料はどうなるのか、だいたい何時ごろまで行うのかなど、細かいところまで取り決めておくと、後々のトラブルを未然に防げます。

 

書面に残しておくのがリスク管理の基本

 

そして「口約束」ではなく、かならず「書面」にして残しておきましょう。言った、言わないの口論は無意味なので、誰が見ても一目瞭然な書面は絶対に必要です。

 

このように、サロンをオープンするとさまざまなトラブルに見舞われます。「こんなこと想定外!」と思ってしまうようなトラブルもたくさんあります。

 

それでもあなたが自分の店で成功したいという気持ちがあるのなら、経営者としての自覚をもち、未然に防ぐためのできる限りの努力をする。自分が背負っているリスクを自覚し、常に少し先まで考えて行動する必要があるのです。

 

 

ネイリスト基礎講座 第11回では、独立開業のリスクと対処法についてお話ししました。いかがでしたか?

 

独立開業には当然ですがリスクもあります。ですが、ひとつひとつのリスクにきちんと対処できれば何の問題もないですね。


 

ネイリスト基礎講座 全11回

第1回のテーマ ≫ 「ネイリスト」とは何をする仕事か?

ネイリストというと、爪をキラキラに可愛く装飾するお仕事というイメージがあるかもしれません。でも、それだけだとセフルネイラーとの違いがわかりませんよね? 資格を持ったプロのネイリストとセルフネイラーには明確な違いがあります。その違いとは?