【ネイリスト基礎講座10】独立開業するために必要な能力

 

将来の独立開業に向けて必要となる能力とは?

 

独立して自分のネイルサロンを持つ。ネイリストにとって、独立開業は大きな目標のひとつではないでしょうか。実際、ある程度の技量が身につくと、独立するネイリストがとても多いです。

 

 

雇われネイリストもいいですが、自分のネイルサロンを持てばもっともっと楽しくなります。やりがいがぜんぜん違ってきますし、収入も大きく増える可能性があります。


 

ネイルサロンを開業するのは意外と簡単です。なぜなら、必要な道具をそろえるのに費用がさほどかかりませんし、最初は広い場所も必要ないからです。唯一の問題は、ネイリスト本人に「独立開業するだけの能力」が備わっているかどうか。

 

ということで、ネイリスト基礎講座 第10回では、独立開業してネイルサロンオーナーになるのに、どのような能力が必要になるか考えてみましょう。

 

【1】ネイルサロンオーナーとしての心がまえ

 

ネイルサロンのオーナーになるなら、それまでの雇われネイリストとしての心がまえをガラッと変える必要があります。

 

雇われているときは、何か問題があっても「あの人が悪い」「オーナーが悪い」「お客が悪い」など、責任を他人になすりつけることもできたでしょう。ですが、自分がオーナーになったら、全ては自分の責任です。だれが悪いのでもなく、自分自身に問題があるということです。

 

それでは、ネイルサロンのオーナーとして、どのような心がまえを持てばいいでしょうか。とても奥深いテーマですが、ここでは3つに絞ってお話ししたいと思います。

 

さまざまな視点で考える

自分でお店を開いたら、たくさんのお客様に来店してほしい。これは誰もが当たり前に思うことです。では、繁盛してるお店はいったいどういうお店作りをしているのか? たまには自分がお客になって、そういうサロンに行ってみるのも勉強になります。

 

繁盛するお店と繁盛しないお店の違い

 

お客としていろいろなネイルサロンを巡ってみると、意外なことにいろいろ気づいたりします。例えば、お店の雰囲気や、流れるBGM、接客中の声のトーンなど、いろいろと気になることがたくさん出てくると思います。

 

こうした「ちょっと気になること」は、自分が働いているネイルサロンでも「ある」はずです。ですが、普段、自分がネイリストとして働いていると、サロンワークに手いっぱいで気づかなかったりするわけです。

 

一歩引いた立場で考える

 

自分とそのお客様は盛り上がって話をしていたけど、じつはその隣の席のお客様にはうるさくて不快だったかもしれないなど。そういうことは、一歩引いた立場でないと、なかなか気づきません。だからこそ、さまざまな視点で考える習慣を身につけることは、自分がオーナーになるときに必要不可欠なポイントになるでしょう。

 

コスト意識を持つ

とはいえ、お客さまにとってよい方法がお店にとっての最良とはかぎりません。自分のお店を開業したのであれば、あなたは利益のこともお客様のことも同時に考えていかなければいけないのです。

 

お客様の満足度 & 利益の確保

 

お店にこんなカラーを置いてほしい、仕事のつごうで来れないから営業時間外に施術してほしい。そういったお客様が求めるすべての要望を聞いていたのでは、経営に支障が出てしまうこともあります。

 

 

経営者としては利益を出すからこそ、お客様にサービスを提供して喜んでいただけます。お客様の要望を満たす努力をしながらも、経営者としての判断力も問われてくるわけです。

 

総合力を高める

独立開業を考えたときに必要なのは、ネイルに対する安定の技術力、さまざまなトラブルを解決できる知識、お客様目線のサロンづくり、経営者として利益を出すノウハウ、これら全てを兼ね備えていなければいけません。

 

あなたを支持してくれるお客様が増え、それが利益につながり、自分が経営者としてやっていける自信が生まれる。それこそが独立開業し成功するために必要なプロセスなのです。

 

【2】ネイルサロンのオーナーに求められる4つの能力

 

将来、ネイルサロンを開業するための「心がまえ」についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか? 難しそうだなーと思ったかもしれませんが、最初から難しく考えなくて大丈夫です。「将来独立するには何が必要かな?」という問題意識を持ちながら、日々のサロンワークをこなしていきましょう。

 

ということで、ネイルサロンのオーナーに求められる能力を4つにまとめてみます。

 

技能検定1級レベルの技術力

まずひとつは、お客様が安心して任せられるレベルの、ネイリストとしての「技術力」です。技術がないネイリストにネイルをしてほしいお客様はいません。そして、もし下手な施術をしてしまったら、二度とそのお客様はあなたのサロンに来てくれないでしょう。

 

ネイリスト技能検定1級があると安心

 

独立するのであれば、自分ひとりで一通りの技術をこなすことができ、相手のさまざまな要望に対応できる力が求められます。その能力を客観的に示すためにも、「ネイリスト技能検定1級」の資格を持っておくといいです。

 

彩花先生のネイリスト技能検定1級認定証

 

お客様はあなたを見ただけでどの程度の技術があるのか判断のしようがありません。そこでひとつ技術の証明になるのが「ネイリスト技能検定」というわけです。

 

最低でも2級が必要

 

プロのネイリストとして働くには、一般にネイリスト技能検定の「2級」以上が必要です。2級を持っていれば、基礎的な技術や知識は身についていると評価されます。

 

さらにネイルサロンの独立開業を目指すのであれば、できれば「1級」を持っておくと望ましいと思います。独立後に取得するのでもいいですが、独立前に取得しておいたほうが自信を持って接客できるはずです。

 

【関連記事】「ネイリスト技能検定」について

 

サロンワーク力

そして2つ目に、「サロンワークのノウハウや技術」をもっていることも重要です。どんな状況でも「自分で対処できる」こと。これは独立開業するのに絶対的に必要な能力になります。

 

検定を持っているだけでは、実際のお客様に対応できる力としてはまだ十分ではありません。10人いれば10通りの爪がありますので、たくさんのサロンワークを通して臨機応変に対応できるサロンワーク力も必要なのです。

 

オーナーになったつもりで働く

 

今まではオーナーや先輩ネイリストがフォローしてくれた問題点や疑問点を聞ける人はもういません。あなたが責任をもって自分で解決しなければいけないのです。ふだんのサロンワークをただこなすのではなく、「自分がこの場の全責任を持つとしたらどう対応するか?」と考えながら、問題意識を持って働くようにしてください。

 

経営者としての思考力

そして3つ目に「経営者としての思考力」を身につけていることも独立するには欠かせません。サロンワークで技術的な経験を積むことはできますが、「経営者としての思考力」は自然と身につくものではありません。ここが独立開業を考えるときにぶつかる一番の壁になります。

 

頭を悩ますお金の問題

 

ただネイルをするだけで店は成り立ちません。自分の賃金となる利益を生み出す方法も考えていかなければいけないのです。

 

今までは全てまわりが行ってくれていた「在庫の管理」や「材料の発注」、さらには利益をあげるための「コスト削減」をどうすればいいかなど頭を悩ませる問題はたくさんあります。

 

経営を上向かせる強い意志

 

そして何か経営上の大きな問題を抱えたとき、解決するのも自分です。そのたびに「独立しなければよかった・・・」などとクヨクヨ考えているようでは、店の経営状態はよくなりません。

 

「どうすれば自分の店はよくなるのか?」を常に考え動く、「自分のお店を絶対に成功させる!」そんな強い意志がなければ独立開業して成功するのはとても難しいです。

 

 

では、経営者として必要なノウハウはいったいどうやって学ぶのでしょう?

 

従業員として働きながら「見て盗む」

 

サロン面接のときに「私は将来独立希望ですが、ここでそれまで働かせてください」などと言うネイリストはあまりいません。もちろんそれを聞いて雇用するオーナーもなかなかいないでしょう。

 

独立する目標は心の中だけにとどめ、まずは自分の働いているサロンが、どのように運営されて利益を出しているかを「見て盗む」のです。

 

在庫の管理はどうしているのか? コストを削減するためにどのような努力をしているのか? など、今後の参考になることはたくさんあります。逆に「自分ならこうした方がよりよいお店にできるのに」と考えることも大切なことです。

 

経営者目線で考えるクセをつける

 

独立開業してから突然経営について考えるのではなく、雇われてるときから常に経営者の考えを巡らせることが、独立への一番の近道になります。

 

普段ただ言われたことだけをこなしていたのでは、いつまでたっても経営者としてのスキルはあがりません。自分が任されていない仕事にまで視野を広げ、先輩オーナーはどうやって店を繁盛させているのかをよく観察することが大切です。

 

トラブル解決能力

そして最後に、サロンワーク内で考えられる「トラブルを解決するノウハウ」です。サロンに1日いれば、さまざまなトラブルがおこります。そういった数々のトラブルに、サロンオーナーとして適切に対応できないといけません。

 

例えば・・・

 

  • アートが描けないぐらいに短い爪のお客様が来店されたけど、どうアートをすればいいんだろう?
  • 1本だけ爪が欠けてしまってるけど、他の爪と同じ状態に戻すにはどうすればいいんだろう?

 

こういった小さなトラブルは日常茶飯事ですし、ケガや損害賠償などの、もっと深刻なトラブルが発生するかもしれません。

 

  • 施術中に誤ってケガをさせ出血してしまった
  • ネイル溶剤をこぼしてしまい、洋服やカバンを汚してしまった
  • デザインが気に入らないからこのネイルにはお金を払いたくないとお客様に言われた
  • あなたの所でネイルをしたら翌日ひどい肌荒れを起こしたから責任とって欲しいと言われた

 

こういった次々に起きるトラブルに対応できる力をつけるには、サロンに雇用されているうちになるべくたくさんのトラブルに遭遇するのが一番です。そのためにも、誰もが嫌がるような少し癖のあるお客様を自分が引き受けましょう。隠しておけば怒られる必要のないミスもオーナーに自分から報告しましょう。

 

雇われネイリストのうちにトラブルを全部経験する

 

クレームを受けたり、怒られるのが好きなネイリストはいません。ですが、クレーム対処法を学ぶには、実際にクレームを受けて経験を積むのが一番です。その繰り返しによって、自分でもトラブルを解決できるスキルが自然と身につきます。

 

自分のネイルサロンでクレームを受けたら、自分で全て処理するしかありません。ですが、雇われている立場のときなら、クレームを受けても最終的にはオーナーや先輩たちがなんとか処理してくれます。クレーム処理の経験を積むなら、雇われネイリストのうちにどんどんクレームを受けましょう。

 

このように、サロンワークを通して独立に必要なノウハウを学んでいきます。この「下積み」がなければ、独立開業を成功させることはとても難しいことなのです。

 

 

ネイリスト基礎講座 第10回では、独立開業して自分のネイルサロンを経営するために必要な能力についてお話ししました。いかがでしたか?

 

ネイリストのお仕事をしていくなかで、単なる技術者としてだけでなく、「自分が経営者ならどうするか?」という視点を持つことが大切ではないかと個人的に思います。


 

ネイリスト基礎講座 全11回

第11回のテーマ ≫ 独立開業のリスクと対処法

独立開業には当然リスクもあります。ですが、どのようなリスクがあるのかを事前に理解していれば、上手に対処できるのも事実です。リスクを怖がってばかりでは何もできません。リスクに対する備えをして、リスクをチャンスに変えましょう。